忘れられない恥ずかしい話

昨日、佐月さんに会ったのでマスターズの事を思い出しました。

私は本戦1日目で敗退したのですが、

本戦一回戦に乱打戦の末の3着を引いて、

その後臨んだ二回戦。

その半荘が

忘れられません。

人生で忘れられない対局っていくつかあるものです。

わたしの麻雀人生の中のひとつの思い出として色濃く残った春の日の事を今日はお話しようと思います。

麻雀マスターズ本戦

二回戦。

最高位戦の選手は私ひとりで、他3名は連盟の方でした。

挨拶を交わし、半荘スタート。

東一局、起家は山田浩之プロ。

オヤの仕掛けを受け、他2人は受け気味に見えます。

数巡後私にドラドラのテンパイが入りました。

うん。

リーチです。これはリーチです。

リーチを宣言し、牌を横に置き、

点箱から千点棒を取り出します。

すると。

目の前にはいつものようなサイコロボックス。

のはずなのに、

リーチ棒を置くためのスペースが見当たりません。

こんなのも

こんなのも

こんなも

いつだってサイコロボックスには千点棒がピッタリと収まる程の窪みが用意されてますよね。

ただ、この日の卓にはあの慣れ親しんだ窪みが無かったのです!!!

くぼみない()

千点棒をつまんだまま、逡巡がたちます。

脳裏によぎるのは

リーチと宣言したら、すぐさまリーチ棒を出さねばならない

という競技マナー。

他団体さんのタイトル戦に出場して、こんな初歩的なマナーを守れないなんて、あるまじき事です。

わたしの視線は驚くべきスピードで卓上すべてのスペースを駆け巡りました。

そして見つけたのです。

穴を。

きっとこの穴は、

リーチ棒を刺す穴に違いありません。

そういえば大学時代にセットをしていた時、こんな卓で打った事があるのを思い出しました。

その時はなんの違和感もなく千点棒を突き刺していました。

そうか!

ここに刺せばいいんだ!!!

そう判断した私は、

何食わぬ顔をして千点棒を突き刺しました。

これでいいのか?

競技麻雀においても、リーチ棒を穴に刺すという行為は正しいとされるのか??

なんで私が東一局の開局早リーチをする展開になってしまったんだ?!

本来なら、

リーチを出来ることは喜ばしい事なはずなのに、

この時ばかりはテンパイしたことを心の底から喜べなかったことをここに告白します。

この局、オヤの山田プロがツモアガり、

サイコロボックスからそびえ立っていた私のリーチ棒は山田プロに回収されていきました。

それはそれはしなやかな動きで、

まるでゴルフのカップにささってる旗を抜くキャディさんのようでした。

先制リーチはアガれなかったものの、

気持ちを切り替え次局へ。

局面に集中し、リーチ棒のことなど忘れかけてしまった頃にふと

山田プロからリーチが!!!!

スナイパーのごとく目を光らせる浅見。

リーチ棒

どうするの?!?!

自然な動きで千点棒を取り出し、

そして

置いた。

刺さずに。

山田さんたら刺さずに置いた。

(黒ヤギさんたら読まずに食べたのリズムで読んでね)

わたしは卓の形状に弄ばれてしまった

堂と、置けばよかった!!!

その後またリーチをすることが何回かありましたが、二度とリーチ棒を刺すことはありませんでした。

当然、皆なにごともなかったかのように

リーチ棒を置いて、ゲームは進行していきました。

わたしはなんだか死ぬほど恥ずかしかったのです。

終わったあと、つい

リーチ棒置けばよかったんですね

と言ってしまいました。

みなさん優しく微笑みながらフォローしてくださいました。

この半荘は3着でした。

忘れられない、

リーチ棒のおはなし。

山田プロ、勝手にお名前拝借させていただきました。似てない似顔絵も描きました。すみませんでした!!

麻雀はとっても真剣に打ってました。悪しからず。